【インタビュー】日本ミック株式会社がL.E.T.ワークショップを導入してみて

L.E.T.ワークショップを会社に導入して

こんにちは。今回はL.E.T.ワークショップの受講生の方へのインタビュー第2回です。

今回のインタビューのお相手は、日本ミック株式会社 代表取締役社長の生島敬士さんです。

生島 敬士さん
日本ミック株式会社 代表取締役社長

電子機器に使われる様々な部品を扱う専門商社、日本ミック株式会社を2008年より経営。

国内だけでなく世界各国との取引を行う中で「もっといい」製品や情報を集め、世界と日本をつなぐ新たな価値の創造を目指す。

2023年より、社内のコミュニケーションをより生産的にするため、会社全体にリーダー・エフェクティブネス・トレーニング(以下、L.E.T.)ワークショップを導入。

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日本ミック株式会社さんでは、社員一人ひとりのコミュニケーション能力向上を目指し、多くの社員の方がL.E.T.を受講されています。

管理職の方もそうでない方も積極的に参加することで、社内全体が円滑なコミュニケーションを実現しやすい社風へと変化しています。

今回は、生島社長にインタビューし、L.E.T.の導入による効果や変化についてお話を伺いました。

L.E.T.を会社に導入するきっかけ

――今日は、日本ミック株式会社の社長である生島さんにお話を伺います。生島さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――まず、日本ミック株式会社でL.E.T.を導入するきっかけは何だったのでしょうか?

最初にL.E.T.に出会ったのは中小企業家同友会での体験会でした。

その時、私自身が普段使っていないコミュニケーション方法に触れ、非常に興味を持ちました。

最初は自分一人で受講しようと考えましたが、社内にも部下とのコミュニケーションに課題を感じている社員がいたので、一緒に受講することにしました。

――その体験会で特に印象に残ったことはありますか?

はい、特に印象に残ったのは、12個ある「コミュニケーションのロードブロック」の概念でした。

これまで良かれと思って行っていたことが、実はコミュニケーションの障害になっていると知り、衝撃を受けました。一方で、驚きと同時に「なるほど」と納得する部分も多かったです。

特に、「説教」が効果的でないことに気づかされました。それまでは、時間をかけて丁寧に説明しているのに、なぜ伝わらないのかと悩んでいました。

誠意を持って接しているのになぜか伝わらない、という悩みが解消されるような気がしたのです。

コミュニケーションのロードブロックとは

命令する、説教する、アドバイスするなど、相手の言動に指図をしたり、相手の行動を変えるような影響を与えたりしたいというニーズを伝えてしまう応答のこと。

問題解決を鈍化させたり阻害したりするため、ゴードン博士は「ロードブロック」と呼んでいます。L.E.T.ワークショップの中では、12個のロードブロックを具体例を挙げながら紹介します。

*参考:セカンド・ウィンド株式会社『リーダー・エフェクティブネス・トレーニング』p57

L.E.T.を社内に導入してからの変化

――体験会で興味を持たれ、実際にL.E.T.を社内に導入されたわけですね。ワークショップを導入されてからの変化について教えてください。

まず、社内で「行動の窓」という概念を共有することで、問題解決のアプローチの引き出しが増えました

例えば、意見の相違が生じたときに、感情的に反応するのではなく、解決策を検討しやすくなった感覚があります。

概念を意識することで、状況の理解がしやすくなりましたし、「上手くいっていない」と感じた時の対応方法の選択肢が増えました。

特に、L.E.T.の受講メンバー同士であれば、「行動の窓」という共通認識を持つことにより、意図が伝わりやすくなったように思います。

行動の窓とは

ゴードン博士は、グラフィック・ツールを用いて、これらの問題を正確に把握する方法―――誰が問題を所有しているのか、そして、どのように解決するのか―――を提供しました。 

『行動の窓』を使って、どのコミュニケーション・スキルをいつ、どのように使ったらよいかが理解できます。これを理解することで、人の性格タイプを理解しようとか、懲罰を与えようとか、不必要なことを回避することができます。

*この説明文は、ライセンス会社であるセカンド・ウィンド株式会社ホームページより一部引用しています。

――L.E.T.のワークショップを受けて、どのような学びがありましたか?

学びは非常に多く、特に「対決的I-メッセージ」(アイメッセージ)で気持ちを伝えることの重要性を実感しました。

現時点で「伝えられるようになった」とは言い切れませんが、対決的I-メッセージを使って気持ちを伝えようと意識する機会が増えてきています。

批判的にならずに自分の気持ちを率直に伝えることを意識して、メンバーの受け取り方に気をつけながら、無理のないコミュニケーションを少しずつ取れるようになったように思います。

対決的I-メッセージとは

相手の行動によって自分のニーズを満たすことができない時、この対決的I-メッセージでは3つの構成要素を含む私に関するメッセージを相手に伝えます。このスキルを使うことで、相手を非難することなく自分の思いを伝えることができます

*この説明文は、ライセンス会社であるセカンド・ウィンド株式会社ホームページより引用しています。

――L.E.T.を学ぶ前後で、コミュニケーションに対する期待や考え方にどのような変化がありましたか?

L.E.T.を学んでから、人とのコミュニケーションに対する期待が大きく変わりました。

以前は、相手が変わるまで粘り強く説得しようとしていましたが、今は問題解決だけが目的ではなく、関係を築くことが重要だと感じています。

また、相手の気持ちに寄り添うことで、人間関係が悪化しにくくなりました。

特に、「相手が何を言ったか」ではなく「相手がどんな気持ちなのか」を受け止めることを重視するようになりました。これは私にとって大きな変化であり、非常に有益なスキルだと感じています。

一方で、自分が感情的になった場合などに、L.E.T.を意識することを忘れてしまうこともあります。

そのため、一度学んだら終わりではなく繰り返し学び直し、意識せずともこういったコミュニケーションが出来るケースを増やしていくことが大切だと考えています。

――L.E.T.の受講後、社内全体にはどのような変化がありましたか?

コミュニケーションのロードブロックを減らそうという意識が広がっているように思います。

今までであれば、ロードブロックによって相手との関係を悪くしたり、意見がぶつかったままにしてしまったりするようなことが、多少なりとも減らせるようになったのではないかと感じます。

他にも、「アクティブ・リスニング」や「対決的I-メッセージ」を使おうという意識しているという声も聞きます。

――生島社長ご自身には、どのような変化がありましたか?

大きな変化としては、評価を下すことを減らし、聞いて理解することを重視するようになりました。

これまでは、社員から相談を受けたときに、すぐに自分の解決策を伝えようとしていましたが、L.E.T.を学んでからは、社員に対して「何に対してどのような気持ちなのか」を確認するまでにとどめ、社員が自ら解決策を考えるのを待つことを意識することが増えました。

以前の私なら、これを無責任と感じていたかもしれませんが、今では社員たちが自ら考え、解決策を見つける姿勢を育てることが重要だと実感しています。

これは、社員の自主性や問題解決能力を高める上で非常に効果的です。

また、私がジャッジしないことで、チーム全体の雰囲気が良くなり、案外うまくいくことが多いと感じています。

――最後に、L.E.T.の受講を考えている方にメッセージをお願いします。

L.E.T.は、単にコミュニケーションスキルを向上させるだけでなく、人間関係を深めるための有効なツールです。私自身と社内の変化を通じて、その効果を実感しています。

もし、コミュニケーションやリーダーシップに課題を感じているなら、L.E.T.は効果的なメソッドになると思います。新しい視点と実践的なスキルが、きっと役立つはずです。

特に、相手の気持ちを受け止めることや、対決的I-メッセージでのコミュニケーションは、持続可能で有意義な人間関係を築くための大きな助けになるでしょう。

――今日は貴重なお話をありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

L.E.T.は組織全体のコミュニケーションを大きく改善する効果があります。

日本ミック株式会社様では、社員全員がワークショップに参加することで、コミュニケーションが取りやすく、働きやすい職場環境を実現していらっしゃるように思います。

L.E.T.で獲得できる新たな視点とスキルが、職場の雰囲気や人間関係を大きく変えるかもしれません。

日本ミック株式会社様ではL.E.T.ワークショップを学ばれた後に、生島さんやメンバーの方々が3.5時間×6回のフォローアップ研修を体験されました。

理論とコミュニケーションスキルの両方のリマインドの他に、理解のし直し、練習によるスキルアップなど、学習の深まりを感じた方が多かったように思いました。

また、このメソッドにより効果的なコミュニケーションを学んだけれども、日常業務の中で意識を継続することの重要さと難しさも再確認されたようでした。

今後、継続的なフォローアップのチャンスをつくることも生島さんはお考えです。是非ご一緒したいものです!

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