リーダーが自分と向き合い、組織が変わり始める(1)
「Lead the Self」から始まる、システムリーダーシップへの可能性
L.E.T.ワークショップを学び、実践する林由美さん(医療機関・管理職)と町田愛さん(一般企業・管理職)。女性管理職のお二人へのインタビューからは、リーダーの内面の変化がやがてチームを動かす可能性を感じさせます。
「実践の中で起こる、リーダー自身の変化とその影響」
- 暮らしとコミュニケーション研究所:
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お二人がL.E.T.ワークショップを受講されて数ヶ月経ちましたが、率直に今、どんなことを感じられているかについてお話しをお聞きできればと思います。
- 林さん:
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私は看護師として病院に勤務し、現在は看護部長を務めています。患者さんとの関係を深めるための勉強はしていても、管理職になってからのチームメンバーとの関わり方には新たな課題を感じていました。患者さんとの関係づくりと、上司部下の関係づくりは共通している部分もありますが、それぞれの関係の質に合わせたコミュニケーションの思考とスキルが必要だと考えました。そういったタイミングで、オンラインでの読書会でL.E.T.ワークショップに触れて「これだ!」と思ったんです。
受講してみて感じていることは、自分の中の変化です。部下の話を聞くとき、以前は「アドバイスしなきゃ」と思っていたのですが、今は「この人はどんな気持ちなんだろう?」と、その人の感覚を一緒に味わい、寄り添うようになりました。部下は求めていないこともある、自分が言いたいだけなのかもしれないということに気づいたんです。
また「対決的I-メッセージ(アイメッセージ)」を使うことで、自分自身の感情やニーズを丁寧に見つめるようにもなりました。自分の気持ちを伝える時にどんな言葉を使うか慎重に選んでいます。それは大きな変化ですね。
対決的I-メッセージとは相手の行動によって自分のニーズを満たすことができない時、この対決的I-メッセージでは3つの構成要素を含む私に関するメッセージを相手に伝えます。このスキルを使うことで、相手を非難することなく自分の思いを伝えることができます。
*この説明文は、ライセンス会社であるセカンド・ウィンド株式会社ホームページより引用しています。
- 暮らしとコミュニケーション研究所:
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ご自分の気持ちやニーズを見つめ直すことの大切さを感じていらっしゃるのですね。
L.E.T.ワークショップの中では「(コミュニケーションを)戻って修復する」というプロセスについても紹介されています。自分自身の気持ちやニーズを整理していく中で「あの時あの人に伝えたメッセージの奥には自分のこんな思いがあったんだ」と気づいたときに、相手に伝え直すための具体的な方法が紹介されています。それも、L.E.T.ワークショップのユニークなポイントのひとつです。
- 町田さん:
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私がL.E.T.ワークショップを受講したのは、社内での役職が変わったタイミングでした。「これから、自分にできることは何だろう?自分の強みって何だろう?」と思い、コミュニケーションメソッドを「知っている」から「使える」を目指して受講しました。ゴードン・モデルは以前から学んでいたのですが、現場でしっかり使えているかというと「まだまだだな」と感じていました。学び直して実践してみると、周囲の変化を感じるようになりました。
例えば、来年に向けてチームの計画を立てる時期が近づいていた時の話です。部下の一人ひとりが自分ごととして「何をやりたいか」を考える支援をしようと、ゴードン・モデルを使いながらメンバーと関わっていました。すると、次第に「あれをやってみたい」とか「こうしよう」という言葉がチーム内で挙がるようになり、組織でのコミュニケーションが変わっていきました。部下の中には、「自分のチームでも同じ様に部下と関わってみよう」と試してくれる人も出てきて驚きました。
- 暮らしとコミュニケーション研究所:
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それは、まさにゴードン・モデルで紹介されている、メンバーが主体的に動く場をリーダーが支援する方法「パフォーマンス・プランニング会議」が行われているということですね。町田さんの姿がモデルとなり、他のチームにも影響が広がっていると聞くと、私たちも嬉しくなります。
今回は「実践するとチームの中でどのような変化が起こるのか」という観点でお二人からお話しを伺いました。次回は「組織にそれを広めていくためにはどうすればよいのか」というお話しをお届けします。
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